流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と反復性耳下腺炎
「流行性耳下腺炎」(別名;おたふくかぜ)は、ムンプスウィルスに感染することで起こる感染症です。潜伏期間は2~3週間と長く最も感染力が強い時期は、耳下腺が腫れ始める前後5日間です。おたふくかぜと診断を受けると、一定期間は集団生活を送ることができなくなります。 ただし、このおたふくかぜによく似た症状が現れる病気に「反復性耳下腺炎」があります。共通している点は耳下腺や顎下腺の腫れです。 “耳下腺の腫れ=おたふくかぜ”という認識が強いため、保育園や幼稚園で耳下腺の腫れが認識された時はすぐにお迎えの依頼が来るかと思います。まずは小児科を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。
「流行性耳下腺炎」≠「反復性耳下腺炎」

両者の大きな違いは反復(くりかえし)があるかどうかどうかです。流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は一度かかれば免疫がつくため繰り返すことはありません。何度も繰り返す耳下腺の腫れは反復性耳下腺炎を疑います。また、こちらの症状の特徴として大抵は片側のみが腫れることが多く、発熱や痛みを伴うこともほとんどありません。翌日には腫れがほとんど引いていることが多い点も反復性耳下腺炎の特徴です。
耳下腺が腫れているときは、両者を見分けることは難しく、場合によっては血液検査を行うこともあります。
耳下腺の腫れが頻回にあるときは診療医にこれまでの病歴をしっかり伝えることが大切です。
対処法

耳下腺が腫れると、食事をとるなど唾液が作られるときに強い痛みが生じます。この痛みで食べられない、眠れないなど、日常生活に支障がある場合は痛み止めを使って症状を和らげてもらいます。念のための抗生剤を処方することもあります。 局所を優しく冷やしてもらうことも苦痛を軽減させることに効果的です。