蕁麻疹を理由に小児科を受診する子どもは多いです。かゆみを伴う発疹が特徴で、通常は発疹が現れて数時間後には消えていることがほとんどです。しかし、場合によっては何度も繰り返す可能性もありますので、再発を防止する意味でも蕁麻疹についての理解を深めましょう。

蕁麻疹の種類

発疹やかゆみといった症状は同じなのですが、蕁麻疹は原因によっていくつかの名称に分類されます。遺伝性のある蕁麻疹もあるため、原因を探る際には、家族の病歴についても把握しておくことが望ましいです。

1. 特発性蕁麻疹 特発性蕁麻疹は、原因が特定できない蕁麻疹を指し、蕁麻疹に悩む人の70％が該当すると言われています。中でも1ヶ月以内に症状が治まるのを「急性蕁麻疹」と呼び、それ以上の期間継続する場合は「慢性蕁麻疹」と診断されます。「慢性蕁麻疹」は、長期的な治療が必要なため、できる限り慢性化しないように早めの対応が望ましいです。
2. アレルギー性蕁麻疹 アレルギーのある特定の食品や物質に触れることでアレルギー反応を起こすタイプです。原因となるのは、魚介類や卵などの食品・虫や植物・花粉やハウスダスト・薬品が主に考えられます。
3. 非アレルギー性蕁麻疹 アレルギー反応とは異なった原因で蕁麻疹が起こるタイプです。対象となる物質により名称が異なってきます。
   • コリン性蕁麻疹 スポーツ後や入浴後に多く見られる蕁麻疹の一種で、汗の刺激により起こりやすいのが特徴です。
   • 寒冷蕁麻疹 冷房や冷水、冷風の刺激を受けることで体の特定部位の体温低下に伴い発疹が起こります。
   • 温熱蕁麻疹 寒冷蕁麻疹とは逆に、暖房やストーブ、入浴や温風で体が温まると発疹が現れます。
   • 日光蕁麻疹 太陽の光に当たることで、紫外線の刺激を受けて蕁麻疹が起こります。
   • 心因性蕁麻疹 ストレスや不安など、精神的な要因から蕁麻疹を起こします。