長期的な治療・投薬コントロールが必要な子どもの心
食物アレルギーや喘息、お肌のトラブルとして代表的なアトピー性皮膚炎などと診断され、長期的・継続的な治療を必要とするお子さま自身や保護者の方が、いろいろな悩みや不安や困りごとを訴えられることは珍しくありません。 お子さま自身の気持ちに目を向け、ご本人も周囲も前向きに治療や制限のある生活に取り組んでいただきたいとおもっています。
例えば…
遊び・スポーツなど
活動に制限の必要なお子さまは、お友達と一緒に走り回りたくてもそれができず、少なからずストレスを抱えてしまいます。 また、野球やサッカーなど、スポーツが好きなのに症状が出ることでこれらに参加することのできないお子さまもいらっしゃいます。 このような生活制限をすることなく過ごせるようコントロールするのが治療の目標であり、そこを目指して取り組んでいます。
食事
食物アレルギーのあるお子さまは、どうしても食べられるものが限られてしまう場合があります。子どもは好奇心が旺盛で、他人の食べているものを食べてみたいと思ったり、大半がお菓子など甘いものが好きです。 もし、どうしても食べたいものがあれば、アレルギーのもととなるものを抜いて模した物を作る工夫をしてあげると喜んでくれるかもしれません。お手伝いができる年齢なら一緒に作るなどして、食べれるもの、注意するものを教えてあげるのも良いかもしれません。
かゆみ・痛み
お子さまの痒い、痛い、苦しい様子は見ていても辛くなります。共感し、気持ちに寄り添うことで共に治療に取り組んでいることを伝え、頑張っていることをしっかり褒めてあげてくださいね。
近年、治療の進歩に伴い疾患のコントロールが良くなり、生活制限の必要な症例は減ってきています。それでも長期的な薬の投与や活動の制限を必要とするお子さまはいらっしゃいます。
子どもの心はとても繊細です。知らず知らずのうちに傷ついたり、ストレスをため込んでいたりする可能性があります。ストレスは体に様々な症状を引き起こしてしまう原因になる事もあります。長期的な治療が順調に進むためにもお子さま自身の心にも目を向け、常に最新の情報にアンテナを張り、治療と並行する生活に無理が来ない診療を心掛けて行きたいと思っています。