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院長ブログ

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サミットと核兵器あれこれ

2023.5.23

 私は昭和54年に広島大学に入学しました。岩国市出身の私には親族内に被爆者はいません。8月6日が広島、8月9日が長崎の原爆の日だという事、意図的に空襲を行わず無傷のまま残しておいた都市に原爆を落とされたことは知っていましたがそれ以上の知識は持っていませんでした。2年間の専門課程進学前の一般教養課程での講義だったと思いますが、被爆一世だったと思われる女性の先生の講義で、アメリカはABCCという研究機関を作り、まだ当時若い娘さんだった自分も含め、生き残った人たちをデータを取るために研究対象のモルモットのように扱ったという話を怒りを持って話されていました。ちなみに今でもABCCはデータを取り続けています。私は戦後世代ですので、原爆投下は仕方なかったのかなと漠然と考えていましたが、いまだ少なくなったとはいえ生き残っていらっしゃる被爆一世の方は原爆投下に対して怒りを消せないでいらっしゃるのではないでしょうか。  今回のG7首脳の広島訪問し、せっかく原爆資料館を訪問してもらいながら、何の公式発表もなく、ちゃんと資料を見てもらったのかどうかすら明らかにされなかったことに対して、被爆者団体からは残念がるコメントが出されましたが、はたから見ていてもG7首脳が原爆慰霊碑に献花する図が欲しかっただけなのではないかと思われても仕方ないのではないでしょうか。「広島ビジョン」なるものも核兵器廃絶にむけての道筋を示すものでは全くなく、被爆者団体からは批判されていましたが、核保有国が入った会合で核廃絶への具体的プロセスが示せると思う方がどうかしていると思いますが、現実的な目で見れば、中国や北朝鮮の核兵器の使用への懸念が入った事は評価されるべき成果だと思いますが、そんなことはお構いなしで地元の新聞にさえ残念だと書かれるくらいなら広島で開催などしない方が良かったのではないでしょうか。  NHKをはじめとするメディアはアメリカのファーストレディーと高校生の交流のような報道で盛んに平和ムードを盛り上げようとしていましたが、原爆投下は意図的に無傷に残した都市に対して、広島にはウラン、長崎にはプルトニウム型、それぞれ別のタイプの原爆を投下し、戦後は研究機関を作ってデータ収集されているという事実を皆さん知っているのでしょうか。太平洋戦争そのものについてもアジアの各国に迷惑をかけたという事になっていますが、日本が戦ったおかげでアジアの各国は植民地から独立できたという事実を話題にされることはなく、日本はいつまでも加害者意識を引きずっていなければいけないような空気はなくして、若い人たちには曇りのない目で歴史をみられるようになってもらいたいと思います。安倍元総理がアメリカの議会で演説したとき、太平洋戦争中に硫黄島で本土を守るために玉砕したときの司令官だった栗林中将の子孫とアメリカ側の参戦した兵士との面会をセットして感動を呼んでいましたが、自国を守るために勇敢に戦って任務を全うしたからこそ敬意を払われるのだという証拠ではないでしょうか。原爆投下も、東京大空襲をはじめとする都市への爆撃は戦争犯罪に当たる行為だというのはファクトです。しかしそれを肚に収めて未来志向の関係を作ることが大事なのではないでしょうか。  繰り返すべきでない過ちの第一は、ウクライナの現状を見てもわかるように日本を戦場にしない、二度と日本に原爆は落とさせないことだと思います。自分の国も守れないでできもしない核兵器廃絶を語るのは間違いだと思います。