広島市安佐南区祇園の小児科クリニック『しみずこどもクリニック』  | 小児科一般診療 | 乳児健診 | 予防接種 | アレルギー疾患

しみずこどもクリニックしみずこどもクリニック

お電話でのご予約お電話でのご予約 LINEでのご予約 総合Web受付総合Web受付 ワクチン入荷状況・お知らせ

院長ブログ

新型コロナウイルスワクチンの小児への接種

2022.11.10

 新型コロナウイルスワクチンの5歳未満への接種が開始されている。小児は新型コロナウイルスに感染しても軽症例が多く、当初は小児へのワクチン接種には慎重姿勢だった小児科学会も、感染者の増大に伴い小児でも脳炎、脳症、MIS-Cと呼ばれるサイトカインストームを伴う全身性の炎症、等の重篤な症状を呈する患者さんが増えてきた事を受けて、5歳未満も含めてワクチン接種を推奨するという姿勢に変化している。今のところ、20歳未満の新型コロナウイルス感染による死亡例は29例。基礎疾患ありと、基礎疾患なしが半々という現状のようです。  小児、特に今回接種が始まった5歳未満という年少児に対してワクチン接種をすることが良いのかどうか、迷っていらっしゃる保護者の方は多いと思います。なかなかまとまった形での安全性や、効果、副作用に対する情報提供がなされていない中、何を参考に接種の可否を判断すべきか考えあぐねていらっしゃることと思います。11月8日にYouTubeにアップされた大阪府泉大津市の南出賢一市長の「新型コロナウイルスに関する市長メッセージ」の記事が、小児へのワクチン接種慎重派からの情報発信として、今のところの様々な情報をまとめてくれており、接種するかどうか迷っていらっしゃる方は一度ご覧になることをお勧めします。  有効性の判断等、わかりやすくまとめてくれた形での情報発信がされていないように思います。5歳未満児も接種が努力義務になったことには違和感を感じます。もっと様々な情報をまとめた形で提示して頂き、リスクとベネフィットを保護者が判断しやすい環境を整えて頂き、保護者の判断を尊重する姿勢にして頂く方がベターだと考えますがどうでしょうか。

小児感染症学会に参加して

2022.11.9

 11月5日と6日福岡で小児感染症学会が開催され、6日の日曜日に学会参加して来ました。新型コロナの話題も多く興味深く聞いて来ました。コロナウイルスは特に問題にならないかぜウイルスとしてすでに存在していたものですが、現在4種類のかぜウイルスとしてのコロナウイルスが知られており、229E,NL63,OC43,HKU1,の4種類が主なかぜコロナの原因ウイルスとして認知されていること。このうち、OC43については1889年から数年にわたって流行した肺炎の原因が、従来インフルエンザと考えられていたが、今回の新型コロナと同じように、牛型コロナから変異して人に感染するようになり、当初肺炎を流行させ、数年で変異して弱毒化して現在かぜコロナウイルスの一つになっているのではないかと考えられているとの事でした。現在流行中の新型コロナウイルスについても、約2年でオミクロン株に変異し、弱毒化しており、いずれ普通のかぜコロナウイルスの一つになっていくと考えられ、明るい話題だと思って聞いていました。早く普通のかぜになって欲しいものです。  学会の話題から離れますが、先日ファイザーの広報担当者が、EUの欧州議会のパンデミック特別委員会で、新型コロナウイルスワクチンに伝染抑制効果があるのか試験したのかと問われて、伝染抑制効果があるかどうかの試験はしていないと答えて話題になっているとの記事が載っていました。元々コロナワクチンの有効性はワクチン接種した1000人なら1000人と接種していない1000人を観察して、2か月なら2か月の観察期間の間に接種群からは患者が10人、非接種群からは100人の患者が発生したとすると、有効率90%という評価をしているので、伝染抑制医効果については検討されていないのでファイザーの回答は正直に答えただけなのですが、伝染抑制効果もあるという触れ込みで、社会防衛としてワクチン接種を強制していたのは間違いだったとの見直しが進んでいます。ニューヨーク州では公務員はワクチン接種が義務付けられ、拒否すれば解雇だったものが、裁判所によって再雇用命令が出たようです。  今の日本の現状を見ても秋田県などワクチン接種率の高い地域でかえって流行が大きいという矛盾が出てきており、オミクロン株では流行抑制効果はあまり期待できない可能性も出てきています。コロナワクチンの接種については一旦立ち止まって、今までの評価をすべき時期に来ているのではないでしょうか。